2月28日(水)、3年生を対象に同窓会入会式が開催され、池田同窓会長より生徒に対し挨拶がありました。
本式典は卒業する3年生を対象としたもので、卒業を祝うとともに、県西の卒業生としての自覚をもち、同窓会員の結束を呼びかけるものです。

池田同窓会長の挨拶文:

みなさま、ご卒業おめでとうございます。県西同窓会の会長といたしまして、心からのお祝いを申しのべさせていただきたいと思います。

私は50数年前にこの学校を卒業しました。そして今は仕事もリタイヤし、第2の人生は以前から夢であった自分の趣味の世界にはまっており、その技術向上に努力していますが、みなさんの夢とは本質的に違います。というのも、みなさんの未来は、今日、ここから始まるのですし、夢を追いかけるために必要な力も、これから五年、十年と掛けて養うのです。

皆さんは、目の前にあるいろいろな道を、自分の意志で選択する自由があります。「選択の自由」です。皆さん方はすでに、県西において単位制という制度のもと選択の自由が与えられていました。 しかし、これは簡単ですが大切な原則があります。物事を実行するか、しないかという選択は、誰もが自由に行えます。ただ、何事も始めなければ絶対に実現しないということです。

卒業後は「何年かかっても自分はこの道を進むんだ。」という人生の目標を見つけ、その目標を実現するため行動をするという選択をしてください。

人によってはその目標はすぐには見つからない場合もあります。人生の目標が見つからない、何をしたらよいか分からないという焦りの期間も訪れてくるでしょう。平成2年ごろのバブル崩壊から、世のなかは大きく変わり、価値観も変わりました。その一つとして、集団(組織)の時代から個の時代へと変化があります。

貴方は何ができる人なんですかと問われる時代が個の時代であります。所属している組織がどんなに立派でも、その人個人が何が出来る人か、で評価される時代です。一人ひとりの個性、持ち味、それが評価される時代になってきました。全ての人達にチャンス到来の時代となりました。

ここで、古代ローマの哲学者の言葉ですが、人の価値を決めるのは、社会的地位とか、権力、財力、人気などのような外にある価値ではない。自分の力の内にあるもの、すなわち、自分の考え、行動、意欲などで、自分の力の内にあって自由になるもの、これに最善を尽くせと言っています。自分の成すべき仕事に打ち込むことが大切なのだと。

四季に咲く花はいろいろあります。春に咲く花。夏に咲く花。秋に咲く花。冬の寒いときにしか咲かない花もあります。大切なことは、自分が冬に咲く花なのに、それを自覚せず、他の人が、4月に満開になったからと言って、焦ったり、腐ったり、放り投げたりしないことです。必ず出番はやってきます。常に努力を続ける勇気と忍耐力こそが一番大切なことです。

出来ない言い訳をならべ、努力しない道を選択することだけは避けてください。アメリカの詩人のジョージ・ラッセルの言葉に、「失敗することは罪ではない、罪とは低い目標を持つことだ。」というのがあります。失敗することが悪いのではありません。そのことによって、再び立ち上がる勇気をも一緒に失うことが最もいけないことなのです。日々のコツコツとした努力が、ある日突然、何年分もの成長を自分にもたらせてくれるのです。

話は変わりますが、ご存知の方も居られると思いますが本校は来年創立100周年を迎えます。そのための事業計画も進んでおり、それに合わせて同窓会のホームページを大幅にリニューアルいたしました。そこで皆様にもこのホームページを是非、積極的にご覧いただき、新たな動きを把握していただくとともに建設的なご意見をお寄せいただきますことで、同窓会の発展に繋がりますことを願っております。

前途洋洋たる皆様方の今後のご活躍を心から祈念申し上げると共に、伝統ある本校の同窓会の新会員へのご入会を歓迎してお祝いの挨拶といたします。

2018年2月28日
兵庫県立西宮高等学校同窓会長 池田能幸